平成14年7月29日(月)開催
財団法人 日本開発構想研究所 創立30周年記念講演とシンポジウムの記録

1.挨拶・祝辞

挨拶           吉田拓(財団法人日本開発構想研究所 副理事長)
祝辞           薦田隆(国土交通省 国土計画局長)
                  土肥原 (内閣府 官房審議官)

 司会 ただいまから、財団法人日本開発構想研究所 30周年記念講演・シンポジウム「『知』の時代の都市再生大学改革と都市・地域の再構築」を開催いたします。開会に当たりまして、財団法人日本開発構想研究所副理事長の吉田拓生よりご挨拶を申し上げます(拍手)。

 吉田 ただいまご紹介いただきました副理事長の吉田です。本日はご多忙の中、このように多数お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

(財)日本開発構想研究所・吉田副理事長

 日本開発構想研究所は、昭和47年に旧経済企画庁の認可により設立され、この7月に30周年を迎えることになりました。振り返りますと、30年前に私は前の職場を辞め、その後この研究所とともに歩んできたわけで、感慨深いものがあります。当時の日本は高度経済成長の頂点にあり、都市開発や地域開発プロジェクトが大変盛んでした。このような状況の中で社会の要請に応えるべく、都市・地域・環境を総合的に研究する機関として、当研究所が設立されたわけですが、間もなくオイルショックと狂乱物価に遭い、研究所の運営も大変厳しい時期がありました。その後も必ずしも平坦ではありませんでしたが、設立30年という節目を迎え、本日このような形で記念講演・シンポジウムを開催することができましたのは、これもひとえに公民にわたる多くの方々のご支援のたまものと、心より感謝申し上げます。

 シンポジウムのテーマを「『知』の時代の都市再生」といたしましたのは、「大学の改革」と「都市・地域の再構築」が今日的な課題であると認識しているからですが、一つには、当研究所が設立以来、都市と地域を主たる活動分野とする中で、大学等高等教育機関の問題にも早くから取り組んできたからです。それなりの実績を持っていると自負するところがありますが、大学と都市とは密接な不可分の関係がありますので、その辺をどう結合するのかということか、と思います。本日のシンポジウムを通して、これらの課題に対して提言あるいは問題提起ができればと期待しております。

 いま日本の社会は大変な転換期にあり、また不透明な時代ではないかと思いますが、研究所として新たな地平を切り開くべく、最善の努力をしてまいる所存ですので、今後とも皆様方の一層のご指導、ご鞭撻をお願いしたいと思います。

 最後に、本日のシンポジウムの開催に当たり、ご協力いただきました皆様方に心からお礼申し上げます。簡単ではございますが、これをもちまして私の開会の辞とさせていただきます。どうもありがとうございました(拍手)。

司会
 引き続きまして、ご祝辞を頂戴いたします。国土交通省国土計画局長の薦田隆成様、よろしくお願い申し上げます(拍手)。

 薦田 ただいまご紹介いただきました、国土交通省国土計画局長の薦田です。いま副理事長からお話がございました、まさに日本開発構想研究所が設立された昭和47年に、私も経済企画庁の総合開発局の1年生職員でしたことを、いま思い出した次第です。創立30周年記念行事が開催されるに当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

国土交通省・薦田氏

 認可を受けられて活動30周年を迎えられましたことを、心からお祝い申し上げます。貴研究所は設立以来、「国づくりから街づくり家づくりまで」ということを、いわばキャッチフレーズのようにして、幅広く調査・研究に取り組んでこられました。私どもも国土庁の時代から、日本開発構想研究所の活動成果から多くの知見を提供していただき、よりよい国土政策の展開のための参考とさせていただいてきました。

 ご承知のとおり、昭和49年に発足しました国土庁は、発足以来26年半を経て、平成131月に建設省、運輸省、北海道開発庁等と統合されて国土交通省となりました。国土交通省におきましては、多様性のある地域の形成など、国土交通行政の5つの目標を掲げており、縦割になりがちな弊害を排除しながら、さまざまな課題に取り組んでいるところです。こうした中、本日貴研究所におきまして「大学改革と都市・地域の再構築」をテーマに、都市地域研究分野と高等教育研究分野を統合した提言を目的に、講演とシンポジウムが行われると伺っております。

 私ども国土交通省といたしましても、地域が主体となった地域資源の有効活用と個性ある地域づくりが、国土計画の上で極めて重要な課題として要請されております。また大学等の機能、施設の有効活用を含めた産・官・学の連携あるいは知的資本を担う人材の育成・活用といった課題への対応が、極めて重要であると考えております。したがいまして、本日の講演・シンポジウムに、私どもとしましても極めて高い関心を持っております。その成果に大いに期待をしているところです。

 最後になりましたが、日本開発構想研究所の創立30周年を記念する本日の行事が、実り豊かなものになりますとともに、今後の貴研究所のますますのご発展、それから本日ご参会の皆様のご健勝を祈念いたしまして、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました(拍手)。

 司会 薦田様、ありがとうございました。

 引き続きまして内閣府官房審議官の土居原洋様、お願いいたします(拍手)。

内閣府・土肥原氏

 土居原 ただいまご紹介いただきました、内閣府官房審議官の土居原です。本日ここに、財団法人日本開発構想研究所の設立30周年記念講演・シンポジウムの開催に当たりまして、心よりお祝い申し上げるとともに、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

 財団法人日本開発構想研究所におかれましては、昭和477月、国づくりから街づくり家づくりまで多様な分野にわたり、国土の総合的な開発に役立つ実践的な調査・研究機関として設立され、それからはや30年が経過いたしました。この間、都市や地域計画に関する調査・研究や、大学の設立等に関する調査・研究を通じまして、わが国の総合的な国土開発の推進に多大な貢献をされてきました。これもひとえに歴代理事長をはじめ、役職員各位のご努力並びに関係各位の深いご理解とご協力、ご支援のたまものであると深く敬意を表するものです。

 現在わが国は、人口減少あるいは高齢化時代、あるいは高度情報化の進展といった、まさに時代の大きな転換期を迎える中で、経済的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさ、あるいはゆとりや美しさがある暮らしの実現が求められているのではないかと思います。こうした状況の中で、人々に多様な暮らしの選択肢を提供することができる新しい国土の構想を提示することは、国土開発行政におきまして、最も重要な課題の一つだと思います。

 まさに本日の記念講演及びシンポジウムが、このような課題に対応するための一つの例だと思うわけですが、財団法人日本開発構想研究所におかれても、今後とも都市再生の問題や地域計画に関する政策の基礎となる調査・研究、大学等高等教育研究分野に関する調査・研究を中心に、幅広い政策課題に積極的に取り組んでいかれることを強く期待するものです。

 最後に、これからの財団法人日本開発構想研究所のますますのご発展と、ご参集の皆様のご健勝を祈念いたしまして、私の祝辞とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました(拍手)。

司会 土居原様、ありがとうございました。